| 第24回人材紹介会社に払うくらいなら、僕にチョウダイそのお金
 台湾小倉ではセンサーモジュールの技術に詳しかったビンセント李(リー)が抜けた穴を埋めるのに苦労していたので、
 私は思い切ってあることをリチャード譚(タン)に聞いてみました。
 「台湾に、技術者のヘッドハンティングの会社って、ある?」
 自分自身オグラ技研に入社したときにヘッドハンティング会社のお世話になったのと、
 ITブームとともに日本でもいよいよヘッドハンティングを含む
 人材紹介会社を通じた技術者の転職が一般化してきたことから、
 台湾でも同じようなサービスがないのだろうか?
 と沸いてきた発想でした。
 譚さんが調べてくれた人材紹介会社は、日本のものと同じようなサービス内容でしたが、
 問題となったのは、その高い人材紹介料でした。
 だいたい、雇った人の年収のうち25〜30%相当額を
 紹介会社に支払うことになるのですが、
 譚さんにしてみると、
 「えー、何でそんなに高いの〜?」と思ってしまうのでした。
 台湾ではもともと人材市場は流動化しており、転職は人脈を頼って行うもの、というのが常識でした。
 つまり、有能なスタッフを即座に引き抜いて来られることが
 トップマネジメントの重要な資質の一つで、
 紹介会社にカネを払って頼む、という発想がありませんでした。
 もっというと、そんな高い紹介料を払うくらいなら、紹介された人は気に食わないから雇わない、
 と仲介会社には言っておいて、
 後からその人に別途連絡を取り、給料を割り増ししてあげるから、
 紹介会社には内緒で就職を決めてくれ、
 といった交渉をしかねないのが台湾の会社なのでした。
 そんなことで、紹介会社に登録する人も依頼をする人も、台湾に居ながら
 よっぽど人的ネットワークを持たない人たちということになり、
 良い人材を獲得できるハズもないのでありました。
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