石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第13回
2倍の給料出してやっと一人獲得

センサーテック社との契約では、
まず営業の引継ぎを行って約定金額の半額を支払った後、
製造設備の移管を終えて残りの半額を支払うことになっていました。
その間、センサーテック台湾支社は
残注文をこなすための製造を引き受け、
設備の移管が終わった時点で、
最終的に残りの在庫をすべて買い取ることとしていました。

最初の関門である営業面の引継ぎには、
センサーテック台湾支社の営業担当に
オグラ技研の海外営業担当が随行して
各顧客をまわることにしました。
が、問題は、当時のオグラ技研には商品に関する知識や
台湾でのビジネスに明るい人材がいなかったことでした。

当面の我々のニーズに当てはまりそうな人材の候補としては、
今はセンサーテック台湾支社を辞めて
フリーランスになっているが、
もとは当該センサーモジュール事業の
プロジェクトマネージャーをしていたビンセント李、
という人以外には見当たりませんでした。

彼とは以前に面談しましたが、私の英語が拙かったためか、
「彼ならできそう」、
「興味はありそう」程度のことしかわからず、
実際にオファーをどのように設定するか我々は随分と悩みました。
固定費はできるだけ低く押さえたいが、
足元を見て断られては元も子もないし・・・。

結局、毎月US5,000ドルをコンサルタントフィーとして支払う、
ただし、契約は毎月見直すか、
あるいはキャンセルすることもできる、
という内容を提示しました。
現地のマネージャーレベルの給与水準からすると
倍以上高い金額でしたが、
人材の確保が急務である我々にとっては、仕方のない選択でした。

このような条件で
ビンセントから果たして色よい返事がくるかどうか、
私としては半信半疑でしたが、
ほどなくして彼から上の契約条件を受け入れる旨の連絡が入り、
曲がりなりにも営業の移管を始められる体裁がやっと整いました。


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