第119回
ワインに問いかけてみる体験
ワインリストに並ぶのは
オーナー・ソムリエの佐藤さんの個性が
存分に発揮されたワインたち。
さまざまな国のワインがあり
お料理もまた
フランス、イタリア料理など厳密な区別のない
ボーダーレスな皿でした。
アラカルトでもOKですが、
コースは
前菜、主菜、それにパスタかリゾット。
前菜は6種の盛り合わせで
それぞれの噛む時間が違うように
変化をつけているそうです。
主菜とパスタやリゾットの順番が逆なのがおもしろい。
訊けば
決まりにとらわれず、
「ご飯は締めかな」と考えてのことだそうです。
前菜に合わせたワインは
前回に登場した「パレット」のほか
「ジュブレ・シャンベルタン ヴィエイユヴィーニュ2000 」。
フィリップ・ナデフという、
フランス・ブルゴーニュの若き造り手だそうです。
ヴィエイユ・ヴィーニュとは
葡萄の古木のことで、このワインの場合は
そのためなのか複雑味がありました。
続く主菜は、私は仔羊のグリルを選択。
これにはスペインのグルナッシュ、テンプラリーニョを使った
「マス・コレット ボデガス・カプサネス」。
きのこのブイヨンを使い、シャンツァイを刻んで
仕上げたカカオのリゾットには
ルーウィン・エステイト社の
「アート・シリーズ マーガレット・リバー シラーズ 2001」。
オーストラリアのワインですが
この力強さが、カカオの苦味や
シャンツァイの香りとキャッチボールするようで
とても面白かった。
その後
チーズをお願いしてさらに
フランス、スペインのワインを空け……
気づけば5人で7本。いいんだろうか。
メンバーの中には、
佐藤さんのワイン講座を受けた人もいたためか
おもしろかったのは
佐藤さんが、1本ごとにすべてを説明するのでなく、
「どんなふうに感じますか」
と、いったん投げかけてくれること。
目をつむって飲んでみてください、とか
どの国のワインかわかりますか、など
なぞなぞを仕掛けてくださる。
だから私たちは、その度に
目を閉じ、香りや味わいや
その向こうにある土地や育ち方なんかの
ヒントを感じようと
ワインに問いかけることができたような気がします。
ワインを語る言葉をもたない私でも
問いかけることならできるかもしれないと
ちょっと思い始めています。
■MAXIVIN(マクシヴァン)
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