第145回
資本効率のよい事業へ投資する
投資の専門家の書いたレポートなどで
「フリーキャッシュフロー」とか
「棚卸資産回転期間」などと難しそうな言葉が並んでいると
読む気がなくなってしまうのではないでしょうか。
会計や経済に詳しい人が
うまく資産を運用できるのであれば
投資の専門家や会計士や学者は大金持ちになれるはずです。
専門用語は
論理的に物事を表現する道具としては便利ですが、
よく切れる包丁を持っている料理人が
おいしい料理を作るとは限りません。
使い方が大事なのだろうと思います。
事業を見るには、商売をよく知っている人が
ずっと有利なことも多いように感じます。
「帳簿ずらではなく現金が机の上に積める儲けが出ている」とか
「流行遅れの商品の在庫がこんなにあってはどうしようもない」
などと肌で感じることができれば有利です。
しかし、なかなかそこまで企業の実態は掴みきれません。
株式関連のデータはいろいろありますが
その会社の事業がうまくいっているかを見るうえで、
「いくらのお金を使って、どれだけ儲けがでているか」を
計算することはたいへん参考になります。
借金もみんなひっくるめての総資産を見て
1年間で儲かった利益でそれを割ると
その事業での利益率が出てきます。
例えば、借金も入れて5000万円で商売をやって
年間の利益が1000万円でれば20%です。
これは総資産利益率(ROA)と呼ばれています。
売上高がどんどん伸びることはよいですが、
少ないお金で多くの利益がでるような
効率的な事業をやっているのかどうかが大切なように思います。
企業の情報を見られる場合にはROAと書いてある数値がこれです。
これが表示されているホームページは少なくて
最初は苦労するところですが
その企業資産の総額と利益が表示されていればすぐ計算できます。
先進国の企業には貯め込んだ資産があったりして
ROAがほんの数%の企業を多く見かけますが
アジア諸国では10%以上の企業が多くあることを発見し
びっくりされるのではないかと思います。
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