第144回
香港の株式市場
香港市場は香港証券取引所(SEHK)と店頭市場(GEM)があります。
上場企業数は978社(2002年末)です。
以前は欧米の投資家から見て
日本を除くアジア諸国は、リスキーな場所でした。
欧米諸国や日本と比べて時価総額が少なく
株価が一方向に触れやすい特徴を持っていたからです。
しかし、ここ数年で様変わりして来たようです。
英国支配時代は
英国系コングロマリットが幅を利かせていましたが、
1997年の返還を機に上場の場所を変える企業が相次ぎました。
現在ではHSBC銀行など一部を除けば
中国国際信託投資公司(CITIC)、
華潤(チャイナリソーシズ)など
本土政府系につながる中国資本の企業が多く上場されています。
これにはH株(中国の国有企業の直接上場)と
中国企業が香港の上場企業を35%以上買収したレッド・チップ
と呼ばれる企業があります。
1993年7月上場の青島ビール(0168)を皮切りに
香港H株の上場が始まりましたが、
当初は中国本土の資本であることと
放出されている株式の量の少なさから、
目立った動きはありませんでした。
最近では、上場企業数が増えて
ある程度のまとまった買いができるようになりました。
海外の投資信託・ヘッジファンドも
手が出せる程度の流通量になったということです。
また、国際金融を見渡せば
通貨が、少しずつ、ユーロやオーストラリアなど
ドルとは密接にリンクしない所へ動いています。
米国のドルへの不安と同時に
アジアの発展を見過ごせないリスクを感じているはずです。
H株に投資をする外国人機関投資家も
この流れに乗っていると見ることもできます。
バークシャー・ハザウェイ社のCEO(最高経営責任者)であり、
米国著名投資家のウォーレン・バフェット氏が
中国で最大の石油会社であるペトロチャイナに
2003年4月22日・24日などに投資を開始したことの意味は
実は、はなはだ重いのではないでしょうか。
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