今まさに芽吹こうとするアジア株を
アジア株研究家・平田さんがレポートします

第138回
各国の勢いを決めるもの

一国が経済的に成長していく要因は、
政治や経済をはじめ、
国民の年齢構成や現在の民度(経済力)・治安・資源・気候など
挙げていけばほんとうに切りがありません。

そんな中では目立ちませんが、
実は国民の向いている方向や活力が
大きいのではないかと思い、
今回はそれに触れさせていただきます。

勤勉性を尊ぶ風土と経済の成長の関係について
調べた人の報告では
「忍耐」とか「勤勉」とかの話が
教科書や児童向け出版物に多い国は
やはり発展しているとあったと記憶しています。
極論すれば
「フランクリン自伝」がよく読まれる国は発展する
と言った話でしょうか。

今の日本では
「努力をすれば報われる」とか「世の中をよくしたい」など
恥ずかしくて人前で言えない雰囲気があるように感じます。
そんな日本でもつい数十年前の少年少女は
故松下幸之助氏が苦労して事業を起こした話や
米国FBIの職員が悪人をやっつけるために戦う話などを
わくわくしながら読んだ人が多かったのです。
その頃、大人たちの見るテレビでは、
主人公が苦労を重ねて成功するような
根性モノが流行っていました。

戦後に裸一貫から事業を起こした人たちは
ろくに休みも取らずに働き、経済や企業は成長するものだという
「成長神話」を生みました。

成長した大企業ほど稼ぎがよく、かつ見栄えもいいので
「大企業不倒神話」が生まれます。
その下部構造として「学歴神話」が生まれていきます。
たった四半世紀や半世紀で
神話になってしまうのもへんですが
「よい学校を出てよい企業に勤める」というレッテルで
人に認めてもらうのが暮らしやすい方法だったのです。

かくして、
リスクを負うことを嫌う保守的な働き方が一般的になります。
ちょっと残念な言い方ですが、
日本に勢いのあった時代を振り返り、
そのころのわれわれの希望、今は失ったものを思い返すのも
これから伸びる国や企業を予測するうえでは
参考になるのではないでしょうか。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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