第135回
他の企業と組むシナジー(相乗)効果で発展する
タイの2部市場(MAI)に
サイアム・フューチャー・デヴェロップメント(SF)という
ショッピングセンターのミニ開発を手がける企業があります。
ショッピングセンターには
「TOPS」という高級スーパーや
高級なパン屋さん、ブックショップや
自動車用品店などを誘致して入ってもらいます。
タイの小売業では「BIG C」とか「カルフール」などの
大規模小売店舗の出店が進んでいますが、
国内は広いですから
バンコックを離れたら後は小さな町の集まりです。
大規模小売店舗にはあまり縁のない人もまだまだおられ
タイ第2の町のコラートも大規模小売店は3つ程度。
ウボンとか田舎に行けばやっと「BIG C」が
町にひとつといった状態です。
そんな中でおしゃれなお店をミニ開発していくのは
面白そうな仕事です。
この企業の株価が
2003年秋口にするすると上昇して何倍かになりました。
この企業に起こった変化を考えますとこういうことです。
小型のショッピングセンターを
展開するこの企業との相乗効果を考えた
映画館経営大手の
メジャー・シネプレックス・ホールディング(MAJOR)が
この企業の株式を大量に買い、数名の取締役を送り出しました。
MAJORは映画館の収入が毎日入るので現金がたっぷりあります。
これは繁華街で映画館を作っていくコストと手間を
ショッピングセンターに間借りすることにより
解決しようという作戦です。
タイの娯楽はまだまだ不足しているようで、
出店する場所をMAJORは懸命に探していましたが
この提携で簡単に都心に数ヶ所の施設が確保できました。
SF側は安定的な借り手が確保できました。
大きな企業が大株主になり資金調達がしやすくなりました。
これは、
その企業の利益から配当を得るために投資をするという形から
その企業と連携して両社の利益を高めるという
支配するために投資をするという動きです。
MAJOR側から見ればSFの株式は支配証券として機能します。
参考:
サイアム・フユーチャー(SF)のホームページアドレス
(http://www.siamfuture.com/)
メジャー・シネプレックス(MAJOR)のホームページアドレス
(http://www.majorcineplex.com/)
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