第132回
どのように株価が決まるのか
株式を持つことにより
株主は配当を受け取る権利や企業を支配する権利を持ちますが、
よほどの大株主でなければ経営に影響を与えることはできません。
よって、
たいていの個人投資家は配当を受け取る権利を得ることが
株式に投資をすることの目的と言えそうです。
ところが株価は配当の多さのみで決まるものではありません。
人気や成長予測、機関投資家の動き、
またその国の経済や法律の仕組みも大きな影響を与えます。
いただける配当で逆算した元本(配当=利子とみなす)よりも
株価が高くなることが多く、
いつのまにか株式を保有する目的は
インカムゲインと言われる配当による利益よりも
キャピタルゲインと言われる株式値動きによる
売買差益を期待する人が増えてきました。
なぜその企業にそんな値段がつくのかと
首を傾げなければならなくても、
利益が取れればよいわけですから
理由はあまり重要ではないと考える人もでてきます。
そうすると、株式は配当による利潤を得るもの(利潤証券)とも
会社を支配する権利を得るもの(支配証券)とも
遊離した存在に見えてきます。
が、出発点はやはり
配当を受け取る権利や企業を支配する力であることを
考慮に入れておくことは
各国の株価形成を理解する上で重要に思います。
長い間にはその国の株価形成要因が変わって
高いのが当たり前と考えていたのが安くなったり
その逆もまた起こりえるのです。
債券利回りと株式利回りとの関係を調べる
イールドレシオ(BEER)という指標があります。
金利よりも株式の利回りが低くなるのはよくあることです。
これは、国内でお金が余っていたり
安定株主が多くて売買される株式(浮動株)が少なかったり
多くのギャンブラーが市場に参加しているなど
いろいろな理由が考えられます。
ひとつ特筆できることは
企業が配当に回さなかった儲けも
配当と同じく株主の利益であると考えるという
株価収益率(PER)という理屈が登場したことでしょうか。
|