今まさに芽吹こうとするアジア株を
アジア株研究家・平田さんがレポートします

第131回
半年で7割の上昇を記録したタイ市場

タイのSET指数は
2003年10月22日には600ポイントを突破しました。
600の大台を超えるのは1997年8月以来、6年2カ月ぶりです。

この連載を開始した5月12日の終値が384、
11月3日の終値は660となっていますから
連載してからの半年で7割上昇したことになります。
いつ調整があるかはわかりませんが驚きです。

タイの株式市場は
1994年には過去最高1789ポイントをつけました。
それから見れば今は4合目です。
この時の株価指標はPER26.09、PBR4.31でした。
2003年9月現在のPER9.96、PBR2.04ですから
株価指標で見る限り、とんでもない高値ではなさそうです。
(証券取引所データによる)

株価上昇の理由は
起業業績の好転が一番なのですが、
きっかけはアジア全体の流れのひとつである
外資の買いにあると思われます。
その外資は、9月からは売り越し基調になっています。
国内の投資信託など買い手はあるものの
個人投資家の強気の心理に頼る部分が少なくありません。

ソムキット副首相は
株価指数は700〜800ポイントが適切と語っておられます。
経済政策やFTA(自由貿易協定)への取り組みを見ると
長期的な成長を予測させるには充分ですが、
短期的な変動となると不安要因がないとは言えません。

内需に目を向けると、
コンドミニアムの価格上昇や食料品の値上がりなど
ちょっと景気は過熱気味に見えます。
住宅ローンとクレジットの残高も増えています。
行き過ぎがあれば政策の修正もあるでしょう。
タイ政府のやることは極端ですが、スピードはあります。

どこの国の株価を見ても
山と谷を繰り返しながら動いていきます。
経済発展と株価はイコールではありませんし、
全ての企業が発展するわけでもありません。
人気先行の浮き草のような企業は沈むことになるのでしょう。
株価が上がればすぐに売るというような投資家とは違う目で
じっくりこの国の発展を見ていきたいものです。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


←前回記事へ 2003年11月10日(月) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ