今まさに芽吹こうとするアジア株を
アジア株研究家・平田さんがレポートします

第113回
その国の政府を見る

17世紀に
フランスの国政に関わったコルベールは商人に聞きました。
「政府はあなたがたに何をすればよいか」
その答えは
「私たちを放っておいてください」というものでした。
自由放任という言葉が
政治のうえで使われるようになった話として有名です。

政府・官僚主導の経済は
うまくいけば高度成長期の日本のように高い成果があがります。
が、最近は規制の多さゆえの経済の硬直化も見られます。
コルベールの話を考えると経済分野への介入が
民間に及ぼす影響は昔からあったようです。

まだまだ政府の調整機能が必要と思われる中国では、
最近、中央官庁の公務員の流出が起きているそうです。
(出所:2003年9月11日付中国紙「21世紀経済報道」)

若い人にとって
高級官僚という仕事が魅力ではなくなって
多くの人が外資企業などに転職しているらしいのです。
退職者の年齢別では、35歳以下の若年層が多く
部署別では経済関連の部署で目立ちます。
対外貿易経済合作部では、
1999年から2001年の3年間に123人が離職しました。
これは採用した大卒職員の72.8%にあたるそうですから驚きです。
中央政府では、公務員と外資企業との賃金格差が主な原因と考えて
あらたな給与体系を適用できるよう準備しています。

政府にやって貰わないと困る仕事は
治安・外交・軍事・司法など数え切れないほどあります。
「なんとも打算的な」という見方もできますが
こんなにもダイナミックに動く中国の社会への羨望も
ないわけでもありません。

もう、何十年も昔に日本の総理大臣が外国へ行ったときに
「トランジスタのセールスマンが売り込みに来た」と
揶揄されたことがありました。
今、タイでは大臣級が、場合によっては首相までが
証券取引所および民間企業と一緒に各国を回って
企業への投資を呼びかけています。
政府が民間をどのようにサポートしているかを見ることは
各国の発展を占ううえで大切なことのように思います。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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