第111回
アジア調査徒然話:魚の釣り方を身につける
魚を手に入れるには
買ってきたり人に貰ったりする方法もありますが、
自分で釣ることもできます。
これは株式を手に入れる時にも通じるのではないかと思います。
初対面のかたには、
私の活動の主旨はお伝えしにくいようです。
株式市場や企業について研究をしていると申し上げますと、
ギャンブラーか山師を見る目でご覧になるかたがおられたり、
「儲かりそうな銘柄名を聞いておこう」と
考えておられるのではないかという場合もあります。
それで、初対面の人には不用意に
自分が何をしているのかは言いたくないのが正直なところです。
人をばかにした話だと思わずお聞きいただきたいのですが
小学低学年生がいわゆる文章題を解くとき、
周りにやさしい大人がいればよく出る質問があります。
「で、結局これは足すの?引くの?」
もしくは、足してみてペケがついたらこんどは引いてみるのです。
「お店屋さんに人が5人いました。今、3人入りました。
お客は全部で何人いるでしょう?」というような問題です。
でも、何人かの人は出て行ってしまったのかもしれませんし
お店屋さんにいる5人のうち3人は従業員かもしれません。
これが、企業の将来を予測するなどとなれば
「明日、お客は何人来るでしょう?」などに近い問題です。
未来に関わる問題の答えはひとつではありません。
アジアの株式市場を話題にしても
株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)、
その国での株式の売買の決まりなどがわからなくて、
もし、企業名のみ人から聞いて投資したりすれば
これは危険なことのように思います。
足すか引くかをあてずっぽうで企業に投資したりすれば
買った株の値段が上がったとしても、
売る時の値段もわからずに困ってしまうはずです。
数字や言語は
考えたり、知識を刈り取るための武器だと思いますが
株式投資についても前提となる知識はやはりあります。
そこをおろそかにすると
いつも人に聞かなければならないことに
なってしまうと思うのです。
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