第110回
投資信託や年金基金の動き
今日は投資信託や年金基金の動きについて考えてみましょう。
今は先進国の年金や生命保険など巨額な資金を預かる団体は
ほんのちょっぴりしかアジアの株式市場には
お金を回していません。
それでも株価に大きな影響を与えています。
将来、アジアの成長国の市場がもっと器が大きくなり、
魅力的だと思われればどうなるでしょうか。
今、入って来ている外国の資金は、
どちらかというと「おっかなびっくり」です。
カルパースという言葉を聞いたことがありますか。
これは米国のカルフォルニア州立年金基金というもので
途方もない金額を運用しています。
この基金は2002年の初めに
東南アジアの株式投資から原則撤退しました。
この市場は透明性が劣るというのが理由だったようです。
これは株価が下がる圧力となるため
東南アジアの投資家はがっかりしました。
そのあと、エンロン社やワールドコム社のような
経営陣による粉飾やいかさまの疑惑がある事件が相次ぎ、
米国の株式市場の透明性もいい加減なことがわかりました。
今、先進国の年金基金は軒並み含み損を膨らませています。
規模が小さい株式市場も魅力があれば
そうそう無視はできないのではないでしょうか。
一方、アジア諸国の国内では
株式市場へ新たに入るお金が増えることは容易に想像できます。
個人の資金が直接入る以外に、
生命保険や年金、退職金基金といった
長期運用型の金融資産が増加していきます。
日本の厚生年金基金は運用資金が目減りしてしまって、
まずいことになっていますが、
まだこれからの国ではお金が積み上がる途中です。
有名なのはシンガポールの中央厚生年金基金や
マレーシアの雇用者退職積立基金で300億米ドルの規模です。
タイでも退職者積立基金というものが1997年からスタートしており
2000億バーツ以上に膨れ上がっています。
こういうお金が何処に向かうかを考えるのも
長期的な視野の投資では必要です。
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