第109回
いくつの企業に分けて投資すればよいか
投資をするには一番リターンの高い企業1社に
資金を集中すれば効率よくお金は増えるのでしょうが、
残念ながら結果は後からわかるものです。
バフェット氏が影響を受けた
フィリップ・A・フィッシャー氏の著書「超成長株投資」の中には
「リスクの軽減を考えるあまり、
行き過ぎた分散をするのは資金の無駄遣いだ。」
という言葉があります。
株式の達人であったり、まったくの余裕資金を投資する場合は
成長性を考えた集中投資がよいのだろうと思います。
しかし、自分用の年金を作るために
大儲けするよりも、安定して資産を運用するのが目的であれば
方法も変わります。
各国への分散とリスクの軽減を図ろうとすれば
20銘柄くらいには広がってしまうのではないのでしょうか。
国際分散投資を開始する流れでお話しますと、
実際にアジア各国の株式市場を調べていこうとする時に、
何も投資していないと興味はなかなか持続しません。
最初は授業料のつもりで「偵察隊」というか
見張り番を置くつもりで少額の投資が必要になります。
どうも、この国、この企業はよさそうだとなれば
実際に投資資金が入っていきます。
こんな風にしていけば銘柄は多くなるでしょう。
しかし、
ある程度の数があるほうがゆとりを持って眺めることができます。
「1企業への投資額が株式に向ける資金の10%を超えない」と
投資方針を立てれば保有銘柄は10を超えてしまいます。
どんな銘柄を持っているのか忘れてしまうのは困りますが
忘れるほどの存在のほうが長期投資には向きます。
また、ある企業にリスクを取って投資をする場合は、
最悪は倒産する覚悟を持って資金を送り出さねばなりません。
この場合、10%は多過ぎるように思います。
普通、実際に銘柄が増えて問題になるのは、
利益が出た銘柄のみを早々と売却し、
損を出した銘柄をたくさん抱いている状態ではないでしょうか。
損切りのルールを実行することほど自分の決めたこととはいえ
難しいことはないように思います。
|