第105回
韓国メーカーの差別化戦略
韓国と言えば、連想するものは焼肉とキムチでしょうか。
この韓国にも中国ビジネスを加速させている企業があります。
中国とのビジネスに取り組み始めたのは、
1992年の国交正常化以後であり、古いことではありません。
最初は現地の韓国人向けに食品が輸出される程度でした。
中国を安い労働力の製造拠点として見た企業が多く、
消費市場として認識されだしたのは1990年代の半ばです。
価格競争では中国企業にかないませんが、
試行錯誤するうちに都市部の富裕層を
ターゲットにするのが良いということがわかりました。
日本でも少しずつ販路を拡げている
「辛(シン)ラーメン」。
これを作る「農心」(04370.KS)についてお話しましょう。
中国の即席麺は価格1元程度ですが、ここの商品は3元もします。
それでも長江以北の主な都市のスーパーやコンビニには置いてあり
カルフールなどを中心によく売れているそうです。
農心は1999年には青島にスープ工場を、
2000年には瀋陽にラーメン工場を稼動させています。
値段が高くても売れるのは差別化に成功しているからでしょう。
韓国の製品と同じく辛いままの味にしたことに加え、
麺にお湯をかけるだけの即席麺が多い中で5分煮るという方法が
変わっていてよいのかもしれません。
中国の即席麺に比べ密度や弾力性が高く、
歯ごたえのある麺になるよう小麦粉の品質にもこだわっています。
ブランドの浸透もうまくいっているのでしょう。
韓国に上場するこの会社は株価13万ウォン(約13000円)程度。
PERは9倍前後です。
農心ジャパンのホームページは日本語で書かれており
工場を見ることができます。(サイバー工場見学)
いろいろな部門を360度のパノラマで見られます。
スープの製造工程や分析センターなどじっくり見れば
企業秘密がわかるかもしれません。
ついでに、せっかくの機会ですから
日本では袋入りでおそらく90円前後で買えるこのラーメン。
試食してみませんか。
参考:
農心ジャパンのホームページのアドレス
(http://www.nongshim.co.jp/)
農心のホームページのアドレス
(http://www.nongshim.com/)
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