第78回
アジア調査徒然話:華人の情報網
東南アジアではピックアップトラックが良く売れます。
理由は自動車税の関係もありますが使い道が幅広いからです。
荷物を載せたり、人が乗ったりと両方できる
丈夫な自動車のニーズが高いです。
また、カンボジアなどでは舗装が充分ではないので
スプリングの弱い車では困ってしまいます。
タイで「Thai Rung Union Car」(シンボルTRU)という
企業が上場されています。
この会社は改造車製造の大手で
改造用部品の製造・輸出などもしています。
改造車というと暴走するための改造かと
思われる方がおられるかもしれませんが、
日本製のピックアップトラックの荷台を
人が乗れるように改造したり、
普通車をパトカーに改造したりしています。
ニッチ市場を突いて経営は順調なように見えますが、
マレーシア系の「Aapico Hitech」(シンボルAH)などが
将来は競争相手になるのではないかとも思えます。
この会社に興味を持って、
ある中国系タイ人に尋ねますと、
「経営者は僕の遠縁で、同じ潮州出身。
最近、創業者のおじいさんが亡くなって
奥さんと息子さんの経営に変わった」
と近所の出来事のように話します。
この知人はバンコックのチャイナタウン(ヤワラー)に
住んでいるのですが、いろいろなことを実によく知っています。
どこの企業の社長は何人兄弟で、
誰が何をしているとか、評判はどうだとか。
バンコックが小さな都であることを抜きにしても
ただならぬ情報網です。
これは、企業を調べるとき
信用できそうな経営者かどうかを
見るにはたいへんありがたいことです。
チャイナタウンと言うと、
私たちは横浜・神戸の中華街を思い出してしまいますが
東南アジアでは食堂街ではなく、商人の集まる街です。
最初に行った時は、ごみごみして騒音が多く、
どこか危なそうな気がしました。
危険な場所もあるようですが
実は真面目に働く正直な人が多い街です。
参考:Thai Rung Union Car社のホームページのアドレス
(http://www.thairung.co.th/)
Aapico Hitech社のホームページのアドレス
(http://www.aapico.com/)
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