第77回
華人がタイに投資する
タイのSeamico証券では
従来、インターネットでの取引画面は
タイ語版と英語版だったのですが
2003年6月16日より
正式に中国語版がスタートしました。
中国・香港・台湾の証券会社とリンクして
中華圏に現地語でリアルタイムでの株式取引ができる
環境を提供するとのことです。
この証券会社は顧客に外国人が占める割合がもともと多く
15%を占めているのですが
最近中国人の割合が3%から5%程度に
増えているということです。
タイへは、ここ数ヶ月で、外国の資金が流入し
SET指数を押し上げていますが、
その中には中華系の資金も混じっているようです。
この流れはタイだけではなく、
ベトナムではサイゴン証券が中国語での
インターネット取引画面を作っています。
ラオスでは中国の協力で証券取引所開設を検討しています。
中央銀行ではすでに
事業化調査・関連法案の作成を進めているとのことですが
中国とタイが影響力を持つことは確かな気がします。
今後は東南アジアの株式市場での中国や華人の影響力は
増していくものと考えるべきでしょうか。
中国本土のお金が香港の株式市場に回り
レッドチップ企業を作り出しましたが、
今後は香港のみに留まれるはずはありません。
販売網や物流・部品供給などを考えれば
日本、韓国、タイなどへはすぐにも食指を動かしたいはずです。
よく考えると
チャイナ・マネーがアジアの市場をかき回す時代が
すぐそこまで来ている気がします。
先日訪問した証券取引委員会(SEC)の人からは
「日本人への利便を図るために活動しているのなら
あなたもタイの証券会社と組んだらどうか」
と言われました。
日本の個人投資家が便利に取引できるように
日本の証券会社がやってみようと手を上げるには
まだ数年は早いように思います。
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