第67回
教育事業の成長
タイの小学校児童は年に数冊しか本を読まないと聞いて
驚いたことがあります。(日本も少なくなったようですが)
こちらでは乗り物に乗っているときに
読書をするという習慣はありませんが
バスなどは、急発進や急停車があり危険という事情もあります。
眼鏡やコンタクトをつけている人もかなり少ないです。
新学期は5月の中旬ですが、
いろいろと出費がかさみ、親たちは質屋に駆けつけます。
それでも親は教育を大切なものと考えています。
進学率は、年々良くなっています。
小学相当90%、中学相当70%、高校相当50%程度、
大学進学率は20〜25%といったところでしょうか。
(タイ国経済データベース:元田時男氏製作より推定)
経済的に豊かな層は私立の学校へ行く一方、
田舎へ行くと通いたくても学校がない場合もあります。
大学進学者は、そのまた20%程度が
大学院への進学や留学をしますので学歴差はかなり開きます。
政府はは教育を重視していますが、教師数は不足しています。
これは人材難ではなく、予算がないことからくるものです。
教師の初任給は2003年現在、
4年生の教員養成課程卒業生で税込み6360バーツとのこと。
日本円では約18000円。生活するのがやっとです。
たまに教師の募集があると数百倍の倍率はざらで、
その時は学校の近所のお寺が応募者でいっぱいになります。
(宿泊費がないので応募者はお寺に泊まるのです)
この国は理工系の教育を受けた人が少ないです。
理由はお金持ちになりやすい軍隊や政府に勤めるには、
法文系が有利であるからと思っていましたが、あるタイ人からは
数学教育のレベルも関係していると指摘されました。
上場されている教育機関はありませんが、教育関連で
社会に役立つビジネスチャンスはありそうに思います。
日本は昔、理工系を専攻すれば兵役や就職に有利でしたから
理工系の学生は多くおり工業化は楽でした。
それでも、バブル経済の始まる1980年代には理工系を
専攻した人が金融関係の仕事につくのが普通になりました。
|