今まさに芽吹こうとするアジア株を
アジア株研究家・平田さんがレポートします

第66回
「ひょうたん」からアジア株高

米国がドル安を容認するのではないかという考えは、
いろいろな憶測を生みます。
ヘッジファンドで有名なジョージ・ソロス氏は
2003年の春にCNBCのインタビューに答え、
「ドルを売り、ユーロ、カナダドル、豪ドル、NZドル
及び金を買っている」と述べました。
ソロス氏は1993年4月にも金を買い、米政府の逆鱗に触れて
急いで銀へシフトしたという話を聞いたことがあります。
今回は氏の影響力も薄くて発言が問題にはなりません。
彼がドルを売って、資源国の通貨を買う動きをするからには
ドルの価値が下がることを読んでいるはずです。

米国の赤字は、どこかの他国の黒字です。
黒字になった国はドルを貯めるだけでは利息を生みませんから
米国債を買うか、他の通貨を持つでしょう。
米国債を買えば、ドル紙幣はまた米国に戻ることになります。

最近は、米国から欧州へ移動するお金が多かったようですが、
日本政府は円が高くなると困ると考えて
5月に4兆円近くドル買い(米国債)をしました。
日本の民間も4兆円近く外債を買っています。
4月と5月と合わせれば
JASDACの時価総額にも匹敵するお金が流れたと推定されます。
これが金利を下げる方向に働き、国外へ向かいだしたお金の
穴埋めをしながら米国の株式へお金を向かわせました。

米国株式の堅調さを見てとったグローバルファンドは
米国株のウェイトだけが高くなると困りますから
世界中に持つ株式のバランスを取るため
他国の株式のウェイトを増す動きにでます。
よってアジアの株式は高騰していくことになります。

そうするとアジアの株高の遠因は
日本にあるということになります。
5月のエビアンサミット終了後には米政府高官が
ヘッジファンドに接触したという事情通の情報もありました。
米国の友人である現総理の再選までは
米国のヘッジファンドががんばるのでしょうか。
株価を決めるのは需給であり、それは人任せ。
成長企業の発掘は自分の力だけが頼りです。
需給による乱高下には多少の当惑は感じるのですが。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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