第36回
住宅に夢を見るタイの人々
週末にバンコックのプルンチットにあるホームセンターの
ホームプロ(HMPRO)を訪ねれば
豪華な住宅を持つ夢が見られます。
バスセットやシャワーユニット、
豪華な真ちゅう製のドアノブや照明。
本当にきれいなデザインです。
スマートな洗面所の設備など
一式日本に持って帰りたいくらいです。
この国はデザインを専攻する学生が多くいるように感じます。
タイ国籍のない人は法律で
一戸建ては持てません。
住宅メーカーのサンシリ(SIRI)社の
マネージャーに聞きましたら
「会社を作って処理すれば簡単よ」とのことですが、
お金の工面は簡単ではありません。
ちなみにコンドミニアム(マンション)は
日本からお金を送ったという証明があれば買うことが可能です。
最近、タイの政府は低価格住宅の提供を開始しました。
日本の1960年代の住宅公団を想い出させます。
日本の初期の公団住宅は40平米ながら浴室と水洗便所を備え、
ステンレスの台所に換気扇、シリンダー錠。
こんな住宅が当時の日本人の憧れでした。
入居した人々は中流という自負心を持って、次なる目標の
テレビ・冷蔵庫・車へまい進し
1970年の万国博覧会へと続いて行ったのです。
住宅が売れれば、家具や電気製品が売れます。
内需が活発になります。
住宅会社の好調な業績がつぎつぎ発表され、
ホームプロも新規出店に忙しいようです。
平日はあまりお客さんはこない(従業員は多い)ようなので
採算が合うのかプルンチット店のマネージャーに尋ねますと
「大丈夫」と笑って答えました。
2002年の新規出店は2件のみなのに
売上高が41.2%も増えているのですから
店舗あたりでの売上増は大丈夫なようです。
2003年は6店舗の出店で
バンコック都内が4店舗とのことですが
店舗あたり売上高の推移が気になるところです。
この会社の親会社はこの国随一の住宅メーカーです。
自己資本比率が低いのが気になるのですが、
親会社譲りのノウハウが生かせるのでしょうか。
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