第31回
現地での株式についての考え
「株式投資は危険でないか?ギャンブルではないか?」
という考えはどの国にも根強くあります。
日本より
アジア諸国のほうが
より、そう思う人が多いように感じます。
台湾の人は利殖に熱心で、
株式投資を多くの人がたしなんでいます。
証券取引所の資料を調べていて
開設口座数を見たときに、
その多さに驚いた記憶があります。
タイでは長期投資家もおられますが、短期売買がさかんです。
昔の日本のように、
株価が高騰しだすと多くの人が証券会社に集まってきます。
中国での株式の扱いは、
「股票(株)・馬票(馬券)・彩票(宝くじ)」
とギャンブルの仲間で扱われています。
数倍になることもありますが
3分の1や4分の1になることもあり得ます。
上海・シンセン市場の株式に関しては、
投機的な動き以外にも「政策が株価に強く反映する」
ということを知っておかなくてはなりません。
日本人が投資するのであれば
買って忘れたままにしておいて、
新聞のニュースで中国株暴騰の記事を見てから、
売るか、持続するかを考える。
この姿勢ならお年玉を貰う機会は今後もあるものと思えます。
一方、香港市場は個人投資家は中国と似たような感覚ですが、
多くの国際投資家が売買するために
米国を中心とした国際的な変動の影響を大きく受けます。
中国本土の人が香港の上場企業を買えるようになれば、
ある程度上昇の期待が持てるのですが、
これも中国の政策頼みです。
考えるに、遊びの少ないアジアでは
「株式投資」をギャンブルとして、ひとつの娯楽のように
考えている人が多いように思います。
「分散した資産運用の一環として投資する」という考えは
なかなか理解されにくいことのようです。
長期の資産運用としては、
「複数の信頼できる経営者に事業を行ってもらう」のはよい考えで、
会社が上場さえしてくれていれば、
多くの企業の中からこちらの都合で探せます。
吟味に吟味を重ねてから投資すればよいわけです。
しかし、この考えはどこの国へ行っても少数派のようです。
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