| 第32回フォーリン株とは
 
 アジア諸国では香港のように外国人の投資の制限が
 ないところもありますし、中国のように外国人専用の
 ボードを持っているところもあります。
 各国の国内市場はどんどん自由化が進み、普段は気づかないですが
 外国人の投資を制限する規則があるのが普通で
 ネガティブ・リストと呼ぶような投資禁止業種の一覧があります。
 タイでは外国人が保有できる、または保有する株をF株(外国人株・フォーリン株)と呼んでいます。
 ※NVDR制度については後述します。
 外国人の保有が一定割合に達していなければ、
 通常はローカル市場の値段で買えます。
 ローカル市場で買って、F株へ転換をするわけです。
 一定割合まで達していれば転換はできません。その場合は、他の外国人から
 買わなければならないので、
 2重価格となりプレミアムがついた値段となります。
 これは外国人保有株式プレミアム
 (FSP=Foreign Share Premium)と呼ばれています。
 例えば、タイのバンコックバンク(BBL)が地元では50バーツの株価が付いているとき、
 外国人の保有枠が一杯ですと外国人は他の外国人からしか
 その株を買えません。
 そうするとBBL−F(フォーリン株)は
 60バーツで取引されているという具合です。
 もっとも、枠に達していない銘柄も多く
 その場合は地元の同じ値段で購入できます。
 中国は国内用(A株)と外国人用(B株)を明確に区別し、B株は
 外国人と外貨を持っている本土人しか買えません。
 それゆえ中国はA株が高くB株が安いという
 逆転現象が起きています。
 中国の場合は取引市場が最初から別です。
 中国の人も外貨を使えばB株を買えるのですが、
 虎の子の外貨を大切にしていますから、
 為替レートでA株と等しくなるところまで
 B株の値段が上がって来てはいません。
 中国以外の国では外国人が株式を買わなければその分を一般の人が買います。
 そのため、外国人価格が現地価格を下回ることはありません。
 「外国人割増」は、タイ・フィリピン以外の国にもありますが、
 「外国人割引」があるのは寡聞にして中国以外は聞きません。
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