第25回
アジア調査徒然話:コピー天国のパンティッププラザ
タイのタクシン首相は、
いつも思い切った行動をとります。
2003年に入り、麻薬撲滅作戦やマフィア撲滅作戦も
熱が帯びてきました。
そして、
パソコンソフトの違法コピー撲滅作戦も加速しているようです。
東南アジアの人の所得を考えれば、パソコンは高く、
またパソコンソフトも正規のものはなかなか購入できません。
バンコックに、
ビルの建物全部がパソコン関連の街になっている
「パンティッププラザ」という建物があります。
ここは従来は違法コピーの天国といった有様でした。
違法の度合いも半端ではなく、
人気歌手のCDやソフトの中身を何枚分も、
もしかしたら何十枚分も
ぎゅうぎゅうに詰め込んだ違法コピーを売っているのです。
1枚100〜150バーツ(300円〜450円)程度で販売しており、
警察官の手入れのある日はわかっているようで、
その時になるとお店はシャッターを下ろしていますが
しばらく経つと何事もなかったように店開きしていました。
これをビルの所有者ごと罰則をつけて禁じるようで
今度こそ違法コピーの勢いは弱まるのかもしれません。
一方、これに呼応するかのように
政府のICTプロジェクトが始まりました。
これは格安でパソコンが買えるという
コンピューター普及を目指すタクシン政権の目玉政策。
販売価格はデスクトップ型1万900バーツ(約33000円)、
ノートブック型1万9,500 バーツ(約58000円)と割安で、
販売100万台を目標にしています。
最新ではない電子部品で組み立てたパソコンなら
安く供給できるという作戦です。
なぜか郵便局と貯蓄銀行で受け付けています。
オペレーションシステムはLinuxがあらかじめ
インストールされ、これにフリーソフトを入れて使ってもらおうと
政府は考えているようです。
しかし、フォーマットしてWindowsを入れれば
当然Winパソコンになります。
政府のLinuxに対し、庶民の違法コピーWindows。
格安PCの引き渡しは7月からですが、
パンティッププラザへ行けば結果がわかるでしょう。
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