第12回
割安になるアジア株
銀行にお金を預けても利子がほとんど付かなくなったのは
何も日本だけのことではありません。
最近は米国10年債が高値になり
利回り3.5%程度まで低下しました。
四十何年かぶりとのことです。
外部環境の不透明さを嫌気して
資金がいろいろな金融市場から逃げて国債へ走っています。
アジアの株式市場を見ても、
もともと外国人投資家の取引が細っていた
フィリピン・インドネシアの株価は比較的堅調ですが、
経済環境が好転している国でも
株価が下げているという一見奇妙な現象が起こっています。
タイや韓国、マレーシアなど
最近格付けが上がった国でも株価が極端には上げていません。
これは先進国からその国へ回っていたお金が
逃げているからでしょう。
グローバルファンドと呼ばれるものの資金の移動です。
これは地球上のいろいろな国へ投資をしている投資信託ですが、
各国への投資比率はあらかじめ決まっている場合が多く、
米国株が下がって保有割合が減れば、
利益が乗って相対的に投資比率が上がったところの
株式を売却して米国株式を購入します。
株価収益率(PER)を比較すると
過去5年平均よりかなり安くなっているのがわかります。
【各国のPER】 国名
括弧内は過去5年平均
ソウル |
12(17) |
台北 |
21(24) |
香港ハンセン |
13(17) |
シンガポール |
13(19) |
マレーシア |
12(16) |
タイ |
11(18) |
フィリピン |
13(16) |
PER:Financial Times紙より
過去5年平均:The Asian Wallstreet Journal紙より
(2003年4月14日)
株価は買いたい人と売りたい人が決めるもので、
会社が成長したり、事業収益が向上すれば、
自然に後からついて来るのではないでしょうか。
株価を追うことよりも、成長する企業を追うことが
結果的にリターンは高いと思われます。
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