第10回
身近なタイ株から ムラモト・エレクトロン
家電・情報機器向けの金属製部品を製造している
村元工作所という会社が関西にあります。
この企業のタイ現地法人、
ムラモト・エレクトロン・タイランド(METCO)は
1987年にタイに進出し、
1992年にタイ証券取引所(SET)に上場しました。
3工場あり、2001年9月時点の社員数は4,020 人です。
車載用の電子部品が好調なようです。
利益率を下げずに売上を増加させています。
1年前から比べると株価は倍になっていても
それでも株価収益率(株価/1株あたりの1年間の利益)は
5.32。
株価純資産倍率(株価/1株当たり純資産)は1.29倍です。
(2003年5月8日TISCO証券のデータによる)
利益が増加している理由は、はっきりしていて
世界の自動車メーカーが工場を中国やタイに移したから
受注が増えているのです。
自動車工場が他国から移ってきたらどうなるでしょうか。
自動車を生産するには数万個の部品がいります。
関係する会社がどんどん移転して来て、
工業団地が埋まります。
注文が向こうから入れば販売促進のお金は浮きます。
また、設備稼働率が高まれば
利益率が高まりながら売上が上がります。
大阪から兵庫県の村元工作所の経理部に電話を入れると、
やはり思った通り
受注が積みあがっている様子がヒアリングできました。
一般の人の目は中国に向いているように思います。
が、アジア全域で捉えないと
把握できないことも多くあります。
工場を一国に集めるリスクを想像することや
各国の強み・弱みを考えることが必要かと思います。
将来、中国の自動車メーカーが
世界の主導権を取ることになったとしても、
中東や東南アジアへの輸出基地としては
やはりタイを押さえるのではないかと思われます。
周りの国を見渡せば、
みな需要が期待できる場所ばかりなのです。
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