第6回
視野を広く持つことが必要
投資家の数も日本ではずいぶん減りました。
世論調査では10人に8人は株式投資をしたこともなく、
今後もしようとは思っていないとのことです。
過去20年もの間、株式を持っていても
配当はほんのちょっぴりしかいただけませんでした。
しかも、株価はずいぶん下がったのですから
消極的になるのも当然です。
しかし、世界を見渡すと
これから高度成長が始まると思える国とか、
人々が豊かになっていきそうな国も多くあります。
われわれは、普段は日本で生活しており
「タイ」や「マレーシア」の位置関係とかを
考えることもありません。
しかし、缶詰やら冷凍食品や電化製品など
どんどん入ってきます。
そんな多種多様な国と密接な関係で暮らすわれわれは
日本株投資でも「アジアのなかの日本に投資している」と
考える必要がでてきています。
2年ほど前の話ですが、
アジアの一国でセミリタイヤして暮らしておられるある男性が、
投資先の国や業種の分散をしないで
日本の一流弱電株ばかりを時価総額で8千万円ほども
持っておられて驚いたことがあります。
彼は、空港に「LG電子」のテレビが増えてきたことや
「サムスン電子」が伸びていることを
どのように感じていたのでしょう。
また、人の記憶について言えば
人生での直接経験した記憶は
せいぜい80年とかしか持ちませんが、
歴史を自分の物にできれば、
数百年やそこらの世界の出来事がわかります。
今、起こっている国際経済の変化を考えると
歴史を振り返り、未来を予測せねばならない時代に
入ったのではないでしょうか。
人々の頭のなかでは、自分の経験が物を言います。
社会学者のガルブレイスは
米国の株式市場の歴史を調べて以下の仮説を立てました。
「金融に関する記憶は極度に短い」
日本で株式に投資をするにしても、
地球的視野や歴史的視野が要る時代。
われわれは投資方法を
根底から見直さなければならないように思います。
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