第2717回
■株自己満足さんからのＱ（質問）：投資判断

永漢先生　毎日色々な情報を教えて頂き有難うございます。

この度私が先生にお教え願いたい事は、
新興国で親方日の丸的（大株主が政府）な企業に対する
投資についてです。
ＨＰに入り通期の決算書を読みますと
表向きは増収・増益を繰り返しているのですが、
キャッシュフロー（以下ＣＦ）表をみてみると
営業ＣＦの損失を財務ＣＦで毎年賄っている様な企業があります。
本来ならそんな企業に投資する気は無いのですが、
業種的に将来性があり現段階での国内シェアも高く
商品ブランドも確立されている企業なので気になっております。
先生が中国企業に対して投資を行い始めた頃は、
上記の様な体質の企業が中国にも存在したと思いますが、
先生はどの様に投資判断されたかを教えて頂きたいのです。
どうか質問のお答えよろしくお願い致します。

■ＱさんからのＡ（答え）

よその国の株を買う場合には、その国がどういう国であるのか、
また経済的に今どういうレベルにあるのかを
理解する必要があると思います。

例えば中国だって初めて株を上場した頃は、
まだ民間企業が少くて、大半が国営企業でした。
従って同じ国営事業でもどういう仕事をやっているのか、
その仕事は今後有望なものであるのかどうか、
成長性のあるものかどうか、
更に経営する人がどんな人かも大きく影響します。
同じ国営の経営者でも、
いま産業界におかれた自分たちの位置をよく理解して
経営をする有能な人もいます。
そんなところから出発するわけですから、
当然間違いもあるわけで、危険分散も頭に入れて、
慎重にすすめる必要があります。