中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第2705回
■ケビさんからのQ(質問):結局は「花見酒」?

邱永漢先生
いつも為になるお話を、ありがとうございます。
実生活とは関係ないと思いますが
最近、気になることがありますので質問させていただきます。

「内需を拡大するべきだ」という主張をよく聞きますし、
実際、景気浮揚のためには必要だと思います。
ですが、資源もエネルギーもない日本が
これだけ金持ちになれたのは、付加価値のついた製品を輸出して
利鞘を稼いで来たからだと思います。
内需を拡大すれば景気はよくなると思いますが、
結局は、落語の
「花見酒」のようなことになるんじゃないでしょうか。

内輪で売ったり買ったりした結果、
資源・エネルギー輸入の分だけ
国内の財がすり減っていくということにはならないのでしょうか。
バカな質問ですが、お教えいただけると幸いです。
ありがとうございます。


■QさんからのA(答え)

あなたは日本がこれだけ豊かになったのは、
日本の技術で作ったものを他所の国に売ってお金を儲けたからだと
お考えのようですけど、それは事実に反します。

日本がお金持ちになったのは、
付加価値を作り出すことに成功したからで、
その付加価値を他所の国に売ろうと、
もしくは自分の国の人に売ろうと、
材料を輸入する代金を払うことが出来れば成り立ちます。
国内だけで売り買いをしても、
買ってくれる人さえあれば、富は次々と生産されるんです。
ですから今後も日本国内で消費が続けば成り立つのですが、
ご存知のようにもう一応満ち足りたと言いますか、
必要なものは一通り揃ったところで不況に陥っておりますから、
この先はそう簡単ではありません。
つまり日本は高度成長から成熟社会に入って、
次はむしろ逆に悪くなっていく方向と
お考えになった方がいいと思います。
ただ一ぺんレベルの上がった経済は、そう簡単には落ちません。
ですからその割には何とかやっていくというのが
今後の日本の立場だと、私は見ております。


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2010年1月26日(火)

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