■QさんからのA(答え)
「歌は世につれ」と言いますけども、
文学もその時代の人に訴えるわけですから、
当然その時代の感覚を無視することは出来ません。
従ってその時代に多くの人の関心を持たれる小説を書くというのは、
それなりの才能がある人だと思います。
私の場合はもう今では、
直木賞の作家でも一番年寄りにあたるわけです。
私より前の人で生きている人はもう一人もおりません。
それなら私が目付け役をやっているかと言いますと、
私自身も忘れられた存在とお考えいただいたらよろしいと思います。
今、活字に対する人々の関心がかつてないほど衰えて、
日本中の出版社が怯えているところです。
そういう中で本を1冊出したら皆が大騒ぎをするという立場に
今の村上春樹さんは居るわけです。
私がどういう感想を持っているかきくより
ご自分の判断で十分じゃないでしょうか。
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