中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第2325回
大志さんからのQ(質問):中国の内需刺激政策

いつも真剣に読ませてもらっています。
大変に勉強になり、感謝しております。

国慶節の休みが明けて、いくつか出された政策のうちの一つに
中国の農民の土地の私有化についての政策が出されました。
内容は中国の5億戸の農民の家と
庭に当たる土地を私有化することを前提に、
まず庭に当たる建物が立っていない土地を
政府が保障することにより
銀行から借り入れができるようになるという政策です。
この金額は恐ろしい額で、これで農民の消費を刺激することにより、
かなりの内需が生まれることになります。
政策は段階的に施行されていきますが、
それに伴う公共投資に関する政策で
今までは沿岸部と内陸部の公共投資予算に大きな差がありましたが
それを同じ水準にするという政策です。
簡単にいうと上海で道100mを作る予算を
田舎の道100mの建設予算に投入するということです。
これらの政策は全て、今まで世界の工場として成長した中国が
大きな市場に変身するための足がかりになることを
中国政府は期待しています。
長くなりましたが
この私の理解についてご意見を頂ければと思います。


■QさんからのA(答え)

あなたが解釈しているような意図で
中国の農業政策が発表されたのではないと思います。
いま中国が必要としていることは
都市に人口が集中して所得もそっちへ傾いて、
農業と農民が置き去りの現状から
農業所得をそれこそ都会に負けないように増やすには
どうすればいいかということだと思います。
その為に農民に農地をもっと大事にさせて、
とにかく農業生産を刺激して、
もっと農民の所得を増やすための措置だと思います。

どこの国も工業化が始まると、人口の半分を養いきれなくなります。
日本のように6〜7000万人分の食糧なら、
他所の国からお金さえあれば買えますけど、
7億人の食糧不足を供給してくれる農業国は
世界中どこにもありません。

ですから中国は
自分たちで農業の振興をしなきゃならないんです。
そのことは私も少し前から真剣に考えていますが、
おそらく中国の政府も考えたんじゃないでしょうか。
じゃあそのためにどうするかというと、
多分農業の大規模化が次々と起こります。
ちょうど今から手探りで始まるところです。


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2009年1月11日(日)

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