第1843回 ■八郎さんからのQ(質問):深沢七郎氏について
毎日貴重なお話ありがとうございます。 勝手にQ先生を師と仰いでいます。 故深沢七郎氏は教祖と思ってます。
以前、Q先生は「鬼気迫る小説を書く」と 深沢氏のことを書いてましたが、 対極の様な存在の深沢氏は Q先生にとってどんな人物だったのでしょうか。 大変興味あります。
勝手な質問ですが宜しくお願いします。 「もしQ」と「ハイQ」は私のバイブルです!
■QさんからのA(答え)
深沢七郎さんは戦後の日本を代表する ユニークな作家の一人と思っております。 事件を起こして日本国中逃げ回っている時に、 私が札幌にいたら、 赤いアロハを着たへんな男の人が来ていますけど、 とホテルの人が取り次いで、 私がお名前はときいたら 「深沢と言います」といって訪ねてきたことがあります。
小説家というのは自分の地位を維持するために、 色々と世俗的な動きをするものですけど、 深沢さんは全くそういうところのない人でした。 楢山節考が出た頃、 たまたま私は中央公論の常連執筆者の一人だったので、 編集部の人たちに「これはなかなかすごい腕前だよ」といって、 褒めたことがあります。 しかし、個人的に行き来はありませんでした。 とても付き合いきれるような人ではありませんし、 あっという間に死んでしまいましたけども、 作品は本当にユニークだと、いまでも心の中に残っております。
2007年9月17日(月)