第1732回
■ケンジさんからのＱ（質問）：成功者の本の読み方

邱永漢先生。
毎日、大変参考になりますコラムをありがとうございます。
私は都内で働く30代の男です。
本日は邱先生に
「成功者の本の読み方」についてご意見をお伺いします。

最近、「成功者になるには」と書かれた本が、
書店に行くとズラリと並んでおります。
ユダヤ人の大富豪や、アラブの方々など、
様々な国の「億万長者」の著作です。
本によっては大金持ちになる為に、
「こうしろ」「ああしろ」と成功する為の
具体的な方法や、働き方を記したモノや、
「とにかく貧乏人とは付き合うな」とでも言わんばかりの本もあります。
また、その様な内容の本がベストセラーになっていたりもします。

邱先生は「自分で考え、行動すること」
といつも著書の中でもおっしゃっていますが、
こういった「成功者マニュアル」、「こうすれば儲かる」
の様なビジネス本に対しては、
どの様な考えで読んでいくべきだと思われますでしょうか。
宜しくお願い致します。

■ＱさんからのＡ（答え）

自分が成功した人の自伝みたいなものは、
自慢するために書いているものではありませんので、
参考にもなるし、面白いと思います。

それに対して、人が成功した話を書いているのは、
成功もした事のない人が書いているわけですから、
あやふやなところがたくさんあります。
ユダヤ人の富豪の話のような本は稀に見る面白いストーリーでしたが、
私は本当にユダヤ人の富豪からきいた話なのかと
書いた本人にきいたことがあります。

そういうのは例外に属します。
お読みになるのでしたら
なるべくご本人の書いた自伝を選ばれるといいと思います。
みなさんがご自分で読んで面白かったと思えばよろしいわけですから、
なるべくご自分で探して下さい。