中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第1493回
T.TさんからのQ(質問):話の特集

何時も、貴重な情報を有り難うございます。
先生はミニコミ誌「話の特集」に執筆されたことから、
後に経営に参加されて赤字続きの会社を
何とかトントンの収支決算までに漕ぎつけられたそうですが、
どんな事をなさったのでしょうか。

宜しくお願い致します。


■QさんからのA(答え)

話の特集という雑誌は創刊された頃は非常に新鮮なもので、
それを主宰した矢崎泰久を私は大変才能があると考えて、
評価したことがございます。
頼まれたのですぐに原稿を書きましたが、
しばらく見ていると、
スポンサーとガタガタしているらしいので、
それじゃあ少し手伝ってあげようか、とつい口を滑らせたのですが、
そのあとがなかなか大変でした。

とにかく黒字にしなければいけませんので、
先ず自分のオフィスの上を家賃もタダで提供しました。
建て直しをするといっても、
いま日本国中で会社の建て直しをしている
永守さんも言っていますけども、
そんなに奇跡的な方法があるわけじゃありません。
出て行くのを詰めて、
入ってくるのをふやす以外に方法はないのです。
そこで先ず売上げを増やす方法として、
定期購読者をたくさんつくることと、
一冊でも売れる先を見つけるために、
話の特集と話の合いそうな人が集まる喫茶店に
おいてもらう交渉をしました。
常連執筆者の中には1年間の定期購読者をふやすために、
バーのに行って何万円も飲み代を払って
ホステスに勧誘した人もおりました。

次に出て行くお金も毎月いくらと決めて、
それを超えた分については一切支払いをしないと決めました。
そのせいもあって
1年余り経ったら何とか
収支がつぐなうところまでこぎつけることができましたが
もうこれ以上締められるのはかなわないと思ったのでしょう。
矢崎さんの方が雑誌をもって私のところから出て行きました。
その時は、はじめて雑誌の経営をしましたが、
その時の経験を生かして「求美」という美術雑誌を創刊しました。
こちらは10年持ちましたから、
損をした経験は後で役に立っております。


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2006年10月2日(月)

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