■QさんからのA(答え)
日本の国は元々海に囲まれていて、
海運業というのは他の産業に比べて早くから発達していました。
ですから日本郵船だとか大阪商船だとか
日本を代表する海運会社は、
繊維や石炭と同じスピードで発展をしてきたんです。
それが他の産業がどんどん発達していくプロセスで、
運賃もあまり上がらず、採算も好転せずという時代が
長く続きました。
それに対して今の中国は、
元々領土が広い上に外国ともあまり取引が無かったんです。
それが最近になって輸出も輸入も
平均して1年に30%くらいは上がるようになりました。
3年で倍になるというスピードです。
こんなことはかつて無かったことだし、
それも素材をよその国から持ってくるだけでなく、
出来上がった製品をよその国へ売りに行くということにもなって、
大へんな勢いですすんでいます。
石油を運ぶのだって、色んな鉱石を運んだりする仕事だって
バラ積みの船が間に合わなくなって
運賃の急上昇をもたらしました。
最近になってさすがにコンテナ船の運賃が値下がりする一方で、
石油が値下がりしているので、
利益の減少に悩むようになりました。
それがはたしてどの程度回復するかは、
中々判断の難しいところです。
でも中国の企業の中で国営と関係があるところは、
中国の海運会社を指定して使いますので、
かなり安定した動きになっています。
このままダメになってしまうわけではありませんが、
ものすごい勢いで船を作っておりますので、
どのへんでバランスが取れるのか、
はっきりした見通しはありません。
ほかにもっと成長する業種もたくさんありますので、
目を一つのところだけに向けずに、比較対照して見て下さい。
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