中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第1468回
養消麺虫さんからのQ(質問):「とっておきの言葉」とは?

はじめまして。広州に住んで4年目を迎えます。
先生の名著「食は広州にあり」をバイブルに、
食のみならず歴史、粤語、習慣など
豊富な知識に飽きることなく何度も読み返しながら、
広州での生活に楽しみを頂戴しております事、
この場を借りて御礼申し上げます。

お伺いしたいことは沢山あるのですが、
本日は件のバイブルの中にどうしても気になる箇所があり、
お伺い申し上げます。
それは「踏破菜園」の最後にある
「そんなときのために日本人にあるとっておきの言葉」です。
母国語ながらそんな場面に言うふさわしい言葉が思いつけないのです。
「貧乏性?」「お袋の味?」「味噌汁の歌?」
どれもピンとこないもどかしさ。
このコラムをごらんのファンの皆様には
ご興味ない話かと思いましたが、
どうしても気になりましたため、恥を忍んでお伺いいたしました。
それでは、これからもお元気でのご活躍を心よりお祈り申し上げます。


■QさんからのA(答え)

「食は広州に在り」というのは私が半世紀も前に書いたもので、
当時は年も若かったものですから
自分の学のあるところを人に見せたくて、
たくさん本を読んだ人のような顔をして書いております。
あまり自慢できることではありませんし、
いまならもっと易しい言葉で書くと思います。
そのころはいまよりずっと難しい言葉をたくさん使っています。

そのときに私は
"人においしいと言われて当り前で、
自分の家はこんなにおいしい料理を出しているんだぞ"
と自負していました。
でもそんなことを言ったら人に笑われるにきまっています。
「そんなときのために日本人にあるとっておきの言葉」
があると言ったのは、たぶん
"手前味噌"のことじゃないかと思います。


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2006年9月7日(木)

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