中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第1447回
まさに和だねさんからのQ(質問):お金の不思議

邱先生、ご無沙汰しております。
最近北京に出張でちょくちょく来ることになったので、
Q'sカフェや、陶朱公館にお邪魔しています。
今日も北京から質問しております。

さて、中国の経済成長ですが、
果たして先生の仰るとおりになりました。
90年ごろ北京、上海を回ったときには、自転車ばかりが目に付き、
まさかこの国が10数年でこんなに発展することになろうとは
夢にも思いませんでした。
まさにタイムスリップしたような夢を見ている気分です。

ところで、お金は人類最大の発明
ということを聞いたことがありますが、
最近不思議に思えてなりません。
夫々の国で夫々の通貨を発行していますが、
最近は何の裏づけもありません。
それなのに、その通貨はそれなりの価値を持って
世界に君臨してしまいます。
たとえば元は昔はそれほど刷ってなかったので、
世界通貨に影響はありませんでしたが、
最近は元をたくさん刷って、
それ持った人が悪戯をして主要通貨を動かすことがあるんです。
昔は無かった価値をお札を刷ることで生み出すということに
違和感があるのです。
先生の見方をご教示いただけましたら幸いです。

考察団にもお邪魔したいのですがなかなか時間が取れません。
お体を大事に、いつまでもお元気で活躍してください。


■QさんからのA(答え)

いま皆さんが毎日物を買ったり、働いてもらっているお金は、
いまの形になるまでに長い歴史があるんです。
たかが紙切れで
どうして値打ちがあるんだと思うかもしれませんけど、
それは元々は紙切れじゃなかったからです。
元々は金銀銅という硬貨で、
硬貨になる前はそれこそ目方だけで計る金属や石でしたから、
言ってみれば物々交換するために使ったものです。

国際的には金貨で決済をした時期もありますが、
どこの国も自分の国の金貨が減ることに関しては、
ものすごく抵抗するんです。
そして逆に輸出入を禁止して、バランスを取ろうとしました。
ですからそれが紙になったのも、
その紙で金貨に換えることができますということが前提でした。
金貨をいちいち持ち運びするのでは
不便だし危ないから紙にその代わりをやらせたので
今度は逆に金を離れて紙だけで通用するようになったのです。

ではそれがなぜ成り立つかと言うと、
その国の信用が裏付けになっているからです。
不思議だと言えば不思議なことですが、
皆がそれでいいんだということになれば、
それで価値が維持できるんです。
それを承認しない人はそれを全部やめて金に換えて、
銀行のセーフティボックスにでも入れておけ、
ということになります。
でもそれでは生活ができませんので
世間のしきたりに従うよりほかありませんね。


←前回記事へ

2006年8月17日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ