第1375回
TAさんからのQ(質問):日本を抜き世界一

いつも有意義な知恵をありがとうございます。
ニュースで中国の外貨準備高が今年2月に8536億ドルになり、
日本を抜き世界一になったと報道されていました。
貿易黒字は前年と比べて3倍強、
外貨準備は、昨年1年で2089億ドル増加と
その勢いもすさまじいものです。

このような状況が中国の経済、政策に
どのような影響を及ぼすとお考えでしょうか?
大きな流れとしては日本のように資金の過剰流動性により、
不動産や株の高騰につながるのでしょうか?
又、具体的には中国株のどのような業種に
どのような影響を与えるのでしょうか?
それとも日本を抜いたといっても
中国は国土が広く人口が10倍で
1人当たりにすると10分の1ですから
影響はまた違うのでしょうか?
よろしくおねがいします。


■QさんからのA(答え)

いまの中国で起こっていることは
30年ぐらい前に日本が高度成長で
ドンドン外貨が貯まった時と大変事情がよく似ております。
したがって同じことも起こります。
おそらく人民元がいまの倍ぐらいの力を持つようになることも
考えられないことではありません。
ただそのプロセスで外貨がたくさん貯まった時に
日本では民間企業にドンドン外貨を貸しました。
それから保険会社に無理やりアメリカの国債を買わせました。
その結果、
アメリカの不動産を買っておかしくなった会社もありますし、
アメリカの国債を買って、後に円の方がずっと高くなったために
大損をした保険会社もございます。

中国にもそれと似た環境になってきましたが、
中国の場合は外国の資源を確保しないと間に合わないくらい、
需要が拡大していますので、
石油でも鉄鉱でも、
政府が先頭に立って資源の開発に狂奔しています。
外貨で外国の鉱山や石油会社の買収をすすめていますから、
多分、日本の二の舞は
くりかえさないで済むんじゃないかなあと思います。

しかし、おっしゃるように人口の割合から言えば
まだ一人当り日本の10分の1くらいですから、
まだまだたいしたものではありません。
ただそれでも日本の外貨準備高を超えるとなると、
損する時の比率は同じですから、
中国政府はなかなか難しいところにおかれていると考えて
間違いはありません。


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