第1087回
■就さん
からのQ(質問):お金で買えるもの、買えないもの

邱先生 いつも楽しく拝見させて頂いております。
さて、小生薄学ながら
日頃感じております疑問を質問させてください。

現在、資本主義貨幣経済の中において、
その中でなんとかうまくやって
成功、富、幸せを手に入れたいという自分と、
(少なくとも現在の)貨幣経済という
金銭で量れないもの(自然、健康、人類以外の種)が
ないがしろにされる環境の中にいることに
不安を覚える自分がいます。

経済に参加するかぎり
貨幣主義経済の弊害にも加担していることはわかっており、
自分の中で片が付かずに生きていますが、
邱先生はそのようなことに対して
心の整理が付くような解決方策をお持ちでしょうか?
先生の考え方を教えて頂けましたら大変ありがたく存じます。
よろしくお願い致します。


■QさんからのA(答え)

「お金で買えないものはない」と言って
みんなの顰蹙を買った人がいますけど、
そういう言い方する裏には
もちろんお金で買えないものがあるということです。

私たちはお金を欲しいばかりに一生懸命働いていますけども、
その気持ちの裏には
お金で全ての問題が解決するわけでもないし、
お金を持つことが一番偉いというわけでもない、
という気持ちは必ずあると思うんです。
私のそういう気持ちを察して、
「邱永漢さんは金儲けの神様である所より、
ニヒリストの所の方が魅力がある」
と私の本の解説に書かれたこともあります。

人の世を生きて行くからにはお金は必要だし、
人にバカにされて生きているのではつまらないから、
それだけの実力がなければいけないと思います。
でも、自分がそう思ったからといって人を評価する時も
お金で評価をすることはありません。
お金のある人もお金のない人も私なら同じように扱います。
私がより評価するのは才能のある人と、一生懸命やる人です。
そういう二律背反は
誰の心の中にもあるんじゃないでしょうか。


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