■QさんからのA(答え)
中国の企業が外貨準備をしていることはございません。
外貨準備を持っているのは人民銀行です。
中国の政府は約5千億ドル以上も外貨準備高を持っており、
そのお金でアメリカで国債を買っていますが、
個々の企業にはそんな余裕があるわけがございません。
人民元の切り上げになれば
当然それだけ分ドルの目減りがするわけですから、
中央銀行がお金が損をします。
かつて日本がやったのと同じことが起こります。
たとえば日本の生命保険会社は
みんなから預かった金を
一定量外国投資に使ってよい規定になっていますので、
その金でアメリカの国債やアメリカの株を買いました。
それが200円が180円になるということが起こった場合に、
当然それだけ分目減りがしますから、大損をします。
でもそれは私企業が
自由に外貨を持てるようになってから後のことです。
中国ではまだ民間企業が外貨を持てる立場にありません。
切り上げになれば政府が損をするので、
各企業が損をするわけではございません。
しかし、どの企業も
人民元の切り上げを想定して仕事をやっています。
ただボンヤリ見ているわけではありません。
ですから、個々の企業の対応の仕方は
ケースバイケースで研究しなければいけないと思います。
株について言えば、米ドルもしくは香港ドルで
中国の人民元を稼いでいる会社の株を買っているわけですから、
人民元が切り上がるという事になれば、
その分外貨で表示される値段は高くなると考えていいと思います。
中国の株で持っていたほうが得ですよ、
と言うのはそういう意味です。
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