第1061回
■京のブリックスさん
からのQ(質問):「実利主義」と「面子」

毎日楽しく見させて頂いています、
先生のその時代に対する洞察力には
何時もながら敬服しております。

一般に、中国人(国)は「実利主義」である、
あるいは「面子を重んじる国」であるとよく聞くのですが、
二者選択と言うとき、
この二律背反しているように思われる性質が
どのようになるのでしょうか。
実を取って名を捨てる、
又はその逆の場合もあると思いますが。
誰にでもあるこの2つの事象が
彼の国では、特徴的なことなのでしょうか。
この中りの小話でもあれば。
(もちろん、実利主義と面子で
「中国」を捉えようと言う訳ではありません、
理解するための一助にしたいと思います)
よろしくお願いします。


■QさんからのA(答え)

中国人の実利主義は誰でも知っている通りです。
初めて私がアダムスミスの「国富論」を読んだ時に、
その中で、人間は実利によって動くものだ
ということが前提になっていましたので、
これはもしかしたら、
中国人をモデルにして書いたんじゃないだろうか
と思ったことがあります。
それくらい中国人は実利に敏感で、
一回目の石油ショックがあった時には
台湾でもバス代を1元上げただけで
バスに乗る人が3割も減って、みんな歩いていました。
それくらい台湾の人を含めて中国人はお金に敏感ということです。

お金に敏感であるということと、
面子を重んずるということは矛盾することではありません。
お金を叩きつけたら、何でも言うことを聞くかというと
そういうわけでもありません。
人間には誰でもプライドがありますから、
プライドが傷付かない範囲内では実利主義です。
追い詰められて最後にどちらを取るかということになりますと、
ケースバイケースですから一概にどちらとも言えません。
ただし、どちらも中国人にとっては重要なことですから
その点を頭に入れて駆引きをする必要があります。


←前回記事へ 2005年7月27日(水) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ