■QさんからのA(答え)
昔は景気にサイクルがあって、良くなったらまた悪くなって、
悪くなったら整理が終わると、また良くなる、
という繰り返しがあると考えられていました。
戦後の日本でも2年景気がいいと2年悪い時が続く
ということの繰り返しでした。
ですから、ビジネスを一つのサイクルとして捉えるという考え方は
今でもかなり強いんです。
でも、多分私はそういう捉え方では片付かない
新しい時代に入っていると見ております。
ビジネスにサイクルがあると考えられたのは、
工業が発展すると物をたくさん作って、
それが市場に出るようになると過剰生産で物の値段が下がる。
そうするとお金が儲からなくなるからメーカーが作らなくなる。
するとだんだん供給が少なくなって、また値上がりがはじまる。
値上がりがはじまるとそれにうまく乗ろうとして
新しい設備投資が起こる。
そのサイクルがちょうど2年ぐらいだったので
そう考える習慣がついたのだと思います。
以前はそうした動きを一つの国の中で観察しました。
いまは物が過剰になって値を下げても、
それよりもっと安い値段で売る奴が
他所の国から売り込んできますから、
それに対応できない企業はそのまま潰れてしまうことになります。
したがって世界的規模で経済がどういう動きをするかということを
考慮しなければならなくなります。
過去のことにとらわれて物を考えると、
その通りにならないことが多くなりました。
例えば、もうこれで底を打ったぞ、
今度こそデフレから逃れられるぞ、
なんていうことがしょっちゅう繰り返されていますが、
その割にはなかなか元に戻りません。
ですから新しく起ってくることを昔の物差しではかるよりも、
新しい目で見る必要があります。
|