第827回
■KA
さんからのQ(質問):デフレから脱却できない

毎朝楽しく拝見させて頂きありがとうございます。
インフレについて質問させて頂きます。

最近、金融関係の書籍を見ておりますと、
ハイパーインフレへの警戒本が多く並び、
且つ売れているようなのですが、
そういった本の大筋は、国債の発行が増大し、
日銀、金融機関、個人資産等国債の受け皿が限界に来たとき、
金利は跳ね上がり、国債バブルがはじけ、
日本は、ハイパーインフレに突入してゆく
というシナリオのものが多いように感じます。
しかしながら現実的に国債の累積額は
天文学的になってきておりますし、
個人資産や日銀の受け入れる力も先が見えつつあります。
ですから、インフレ警戒本があながち間違えではない
という気もいたします。

特に最近では、物価も上昇、給料は上がらない
というスタグフレーションのような感じがしないでもありません。
先生はたしか世界経済の構造上、
日本はデフレから脱却するのはまだまだ先だ
というようなご意見をお持ちとかと思いましたが、
現在の状況をかんがみて、依然日本はデフレから脱却できない
とお考えでしょうか?
今一度、先生のお考えをお聞かせ頂きたく
メールを書かせていただきました。
宜しくお願いいたします。


■QさんからのA(答え)

実際に日本の国が高度成長から低成長、
そしてデフレという段階に入っていくずっと前の時点では、
私はデフレから経済を救うためには、
政府が大量にお札を印刷するだろうし、
それを更に加速度化することによって、
銀行のピンチを助けることになったら、
インフレになるんじゃないかと書いたことがあります。
したがって、
皆がソンすることはあるけど、経済がパンクすることはない
だろうと見ておりました。

しかし実際にデフレの社会に入っていくと、
お札を幾らたくさん印刷しても、
皆が使わないでしまいこんでしまいますから無いのと同じなんです。
そういうことが続いている間に
生産をする集団はどんどん生産性をあげますから
例えば電気冷蔵庫が欲しいと言ったら、
たちまち欲しいという人の十倍くらいは出来ちゃうんですね。
そういうようなことが全ての工業生産物に起こるから、
最終消費財のインフレは起こらないで、デフレが続くのです。

そんな中でインフレが起こるとすれば
不足するものがあれば、その分野でインフレが起こります。
今の場合は原料ですから、
すでに石油が高くなったり石炭が高くなったり、
アルミでも鉄でもセメントでも原料が高くなる、
ということが起こっています。
だから原料の中に高くなるものが出てきてますけど、
最終消費は上がらないということが当分続くでしょう。

こうした見方を変えるような新しい兆しが出てきたら、
私も考え方を変えますけど、
今見ている限りでは、これから起こることは、
製品安の原料高ということです。
商売をやってる人がピンチになって頭を抱える、
という場面の方が先なんです。
早手まわしにそれがすぐにもインフレに続くと考える人たちは
大抵、お金儲けとはあまり関係の無い人たちです。


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