第715回
■KさんからのQ(質問):安定した成長に?

確かに中国の人口は日本の約10倍、
人口数でみた潜在需要としてはそれだけの規模があり、
長期的にはそれがものを言ってくるのでしょうが、
経済的な急成長も、人口のごく一部がその恩恵に預かり、
大多数との貧富の差は非常に大きいと聞いています。
民族問題もあるのでしょうし、
農村部では貧困、人攫い人身売買などの社会問題などもあり、
なかなか難しい側面もあるとか・・

よくわかりませんが、
中長期的にかつての高度成長期の日本のような
比較的安定した成長をしていけるのでしょうか?


■QさんからのA(答え)

中国の人口は日本の10倍あるから、
将来大きな市場になると私は見ています。
世間の論調を見ていると、
10倍の人がいたって貧乏人ばかりだから
大した市場じゃないという見方も結構たくさんあります。
また、貧富の差が大きいことを大きな社会問題と捉えている人もいます。

そういう意見を聞くと、ついそうかなとお考えになるかもしれませんが、
実際に中国に行って現場を見て下さい。
貧乏な人がたくさんいるおかげで
世界中の国の人が中国に行って工場を作る気になっているんです。
もし、あっという間に給料が10倍になるんだったら
すぐにも仕事がなくなって外資が全部引き払ってしまいます。
工場に稼ぎに出てきた人達は、
ある程度金を貯めたらすぐに田舎に帰って、
また別の人が働きに出てくるんです。
人間がたくさんいるおかげで、安月給で働いてくれる人には困りません。
世界の工場になりつつあるのはそのおかげです。

したがって貧富の差があることが中国をおかしくするのではなくて、
中国の経済の発展を息の長いものにしている、
と考えるのが正しいと私は思っております。

日本が貧乏だった昔は、物を作って輸出するためには好都合でしたが、
こんな貧乏な一億人じゃ物なんか買ってくれないと
自分たちも思っていたんですね。
それが今は銀座でも青山でも
世界中の一番高いものを売るブランド商品の店が
ここは世界で一番いいお客のいる所だと言って、
どんどん店開きをしております。
どうしてそうなったかと言うと
工業化の過程で日本が金持ちになったからです。
それと同じ事が中国でも起りうると考えた方が正しいと思います。
いつまでも人の国のことを馬鹿にしていると、
自分の方が馬鹿を見るということになります。

どうかあまり新聞の論調に煩わされることなく、
ご自分の目で、また少々お金を使って、
ご自分の目でご覧になって下さい。
それが一番確かな情報源になると思います。


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