第683回
■曲 則全さんからのQ(質問):ファーストフードについて

いつも書籍雑誌などで拝見しております。
邱先生はファーストフードについてどのように御考えでしょうか。
安くて手軽でそこそこ美味しい反面、
栄養が偏る、食文化を破壊するなどの面もございます。
ビジネスとして外食産業を考えると儲かりやすい形態だとは思います。
美食家の先生の御意見は如何でしょうか。


■QさんからのA(答え)

ファーストフードというのは
アメリカから始まったものだと思います。
長い食べ物の歴史を持っている国では、
中々受け付けなかったやりかたです。
ことにフランスはその代表で、
例えば日本でマクドナルドみたいなものが大はやりになっても、
パリでは全然見かけませんでした。
そのパリでも最近はさすがにあちこちで見かけるようになりましたから、
イージーに物を食べて生きていくという傾向は
時代の一つの流れだと思います。

したがって早くにそれを企業化した会社は
それなりに金を儲けたし株価も高くなっています。
でも私にファーストフードを食べろといっても食べません。
命をつなぐために食べる人がいることは認めますけど、
またあなたもそこそこおいしいとおっしゃいますけど、
そこそこおいしい食べ方に私は妥協しません。

長いこと私はそういうことを受け付けませんでしたが、
或る時アメリカへ行ったら、
日本では食べようとも思わなかった
チキンラーメンが恋しくなるんですね。
どうしてかなと考えてみたらアメリカのどのファーストフードより、
チキンラーメンの方がましだったからです。

ライフスタイルとしてファーストフードがあるのは
事実そうなんですから私も認めますけども、
食文化とは考えたことはございません。
もちろん人それぞれの考え方があっていいのですけど、
世の中にはファーストフードを受け付ける人と受け付けない人がいて、
私は自分はそれを受け付けない方の少数派に属すると思っています。


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