第669回
■R.U.さんからのQ(質問):中国当局の金融政策

いつも楽しく拝見させて頂いております。
最近の中国当局における金融政策をいかが思われるでしょうか?

金融引締めを行うことでインフレを抑制し
過剰投資バブルに釘をさしたいのだと理解しております。
しかしながら94−5年の金融引き締めが過剰に効きすぎ
景気を冷やしてしまった事が再び起きるのではと懸念をしております。
是非ともホームページ上で先生のご意見を拝見したく思っております。
何卒宜しくお願いします。


■QさんからのA(答え)

いま中国で実際に起こっている金融引締めは、
一つは貸予率を上げることと、
もう一つは公定歩合を上げることです。
引き締めの対策としては
一番いま投資ブームになっている鉄、石油化学、
セメント、不動産に対する融資です。
その影響で、業績のいい会社の株価まで下がってるんですけど、
そう長続きするとはあまり考えられません。

ちょうど日本で輸出の盛んな頃に何回も金融引締めをやりましたけど、
あまり効果はありませんでした。
輸出の妨げになることを恐れて、
日本でも円の切り上げをやりませんでした。
中国がそれと同じやり方で金融引締めをやっても
外国から入ってくるお金の方が
どんどん水が溢れるように増えているんですから、
プールの中はお金の洪水で一杯になってしまいます。

輸入を増やして輸出を減らすというためには、
どうしても人民元の切り上げという所まで行き着いてしまいます。
そこまで行き着く間に、
資産インフレが起るということも多分日本と同じだと思います。
そういう動きを考慮に入れて、
どういう具合にやれば金が儲かるかということを
考えるいいチャンスだと思います。


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