■QさんからのA(答え)
最近、新聞を見ておりますと、
いままで他所の国に工場を作ることの多かった日本の企業が
一転して国内で新しい設備投資をはじめたという記事にぶつかります。
そういうことは多分あることはあると思います。
しかし、それは全体の傾向から見たらごく一部の少ない現象です。
珍しいことだから逆にクローズアップされているということでしょう。
いま実際に起こっていることは、
コストの高い日本で次の新しい投資はできないというのが大勢です。
例えば、上海だけでも最近は一週間に10件ずつ
日本の企業が増えています。
1年に500件も日本の会社が増える勘定ですから、
日本国内で設備投資をする会社があるとしても、
とてもそれには及ばないないでしょうね。
したがって、天下の大勢は
工場Uターンの流れにはなっていないと思います。
むしろなかなか上手く行かなくなった日本の会社を
外国の企業が買っています。
特長のある技術を持った日本の会社を
台湾や韓国、中国の企業が買うということが起っているんです。
この方がニュース性があるんじゃないですか。
例えばカネボウの薬品部門を中国の製薬会社が買いたがっています。
いままでだったら日本の賃金は高すぎるから嫌だ、
日本人の従業員は扱いにくいから嫌だという考えが
一般的だったんですが、
それが例えば日本で漢方薬を売りたいなら、
日本の薬品会社を手に入れてその会社を通して、
日本で作って売った方がいいという考え方に変わってきています。
そういう動きの方が注目に値すると思います。
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