第650回
■コウエツさんからのQ(質問):日本の観光業の将来性

小泉首相は観光立国を目指すと言っています。
日本にはソフト・ハード両面で
ユニークな観光資源は豊富に存在しますが
如何せん世界一の物価高で、
しかも本当の意味で開国していませんので前途多難です。
今のままではほかの政策と同様で
スローガンだけで実効が伴わないと思っています。

観光立国を目指すならどうすべきかQさんのご意見を伺わせてください。
軌道に乗ればどういった分野に投資すべきかも
併せてご助言お願いいたします。


■QさんからのA(答え)

いま日本は観光立国なんて言っておられる立場にはありません。
世界中をご覧になってもわかるように、
日本より観光資源をたくさん持っている国はいくらでもありますし、
第一、日本人が国内の観光に行かないのに、
他所の国の人が世界で一番高い旅費を払って来ると考えるのは
虫がよすぎます。

私は何十年も前に
1年間に二千万人を越える日本人が外国に行く時代が来るでしょう
と、書いたことがあります。
今日ではまだ二千万人には少々足りないけども、
多くの人が外国に行くようになりました。
日本人が外国に行くように、
外国の人もすぐ日本に来るとお考えになるかもしれませんが、
それぞれの国の制約もあるし、
お金がいくらかかるかということも重要です。

そういう意味では、例えば中国の人が日本に来るのに
ビザを免除するというのはもちろん必要なことですけど、
それをやったからといって他所の国の人が
すぐにもたくさん来るわけではございません。
高いホテルに泊まっているのが日本人で、
アメリカ人でもビジネスホテルに泊まっています。
それくらい日本は物価の高い所なのです。

いまは日本人が他所の国に引っ越している時代で、
反対に他所の国から日本に来る人も
フジヤマ・ゲイシャを見に来るより、
日本の工場はどうなっているのか勉強に来る人の方が
多いんじゃないでしょうか。

でもそのうちに金持ちになった中国人が
日本観光にドッと押しよせてくるようになったら、
人口が多い分だけ大変なことになることは考えられます。


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