第556回
■noahさんからのQ(質問):なぜ失敗を?

大量の資金を投入したのが香港の不動産業者です。
そして、私と同じようにさんざんな目にあわされています。
とのことですが、これから大いに経済発展が望めるところで
中国の事情をわきまえているはずのプロの投資家が
なぜ不動産事業で失敗したのですか?
どのような事情があったのでしょうか?

日本で起きた経済成長が中国でも起こりうることは
十分予測ができるはずです。
それがどうして一筋縄ではいかないのでしょうか?
中国は魔物の国のように思われてしまいます。
やはり、体制的に問題点があるのでしょうか?


■QさんからのA(答え)

ご自分でおやりになってないので、
不動産業者がどうやって失敗をするのかというのが
お分かりにならないんだと思います。
どんな仕事をやっても散々失敗するものです。
私なんかこの年になっても
いまだに散々失敗のくりかえしをやっているんですから、
どうしてだろうといわれたら困ってしまいますね。

香港の不動産業者は香港では成功して大をなしましたが
中国では上手く行かなかったんです。
どういうことかというと、環境も違うし、条件も違うからです。
例えば私が上海でビルを建てようと思った時の上海の家賃は
1平方メートルが1日2ドルでした。
ところがさんざ苦労をしてビルが建ちあがった時には
20セントに下がっていました。
これで失敗しないですか? 大抵悲鳴をあげると思います。
悲鳴をあげることについてはプロの香港の業者も同じです。

どうしてそういうことが起こったかというと、
もちろん体制とも関係があるんですけども、
中国人は基本的に商人的性格が強いですから、
政府も商売をやるようなやり方をするんです。
みんなが家を建てると言ったら
家に対する需要がどれだけあるかということと関係無しに、
金を持ってきて土地を買いたい人がいたら、
この時ぞとばかりにわっと売りに出す。
ですから大体実需で増えるビルの
十倍ぐらいのビルが建っちゃうんです。
また国営の開発会社が国のお金を使って競争を仕かけてきます。
コストの観念がありませんから、
香港の業者だってたじたじになってしまいます。
半分立ち腐れになったビルが多いのは
途中まで建てて夜逃げをした人が多いからです。

不動産の商売は中国人の方が日本人よりも熱心でやる人も多いんです。
競争が激しいことにおいては日本の比じゃありません。
そういう所で不動産投資をやることは本当に難しいことで、
日本のゼネコンで成功した業者が一社もないのを見てもわかります。
そういうことも考慮に入れて不動産投資をやるのでなければ
成功はできませんので、何回も警報を発したのです。


←前回記事へ 2004年3月8日(月) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ