第524回
■A.MさんからのQ(質問):人事評価について

邱永漢先生、はじめまして。いつも興味深く拝見しております。
私は某家電メーカーに勤めております。
特に、ここ数年家電業界では競争が激しく、中国への工場移転、
それに伴う国内工場での余剰人員の発生等が
重要な問題になっていると考えています。
何十年も勤められたベテランの方々が次々と早期退職されていくのは
非常に残念なことです。

今日はたまたま上司と飲む機会があり、
上記の状況で、人事評価をどうするかということで議論になりました。
主な論点は、難易度の低い仕事で成果を上げた人と
難易度の高い仕事で失敗をした人とでどちらを評価するか?
ということです。
昨今の成果主義では、客観的な成果判断に基づき、
賞与等を決めるということが一般的な基準になりつつあります。
しかしながら、1時間に何台作ったとか、
具体的に分かる仕事であれば優劣がはっきりしますが、
企画の仕事等の同じ土俵で判断するのが難しい仕事は
どう査定すればいいのでしょうか?
結局のところの結論は、あいつはやる気がある、等の
極めてあいまいな感情論によって決めるべきではないか?
という判断になってしまいました。
ただ、そうした場合に出世コースに乗った人と乗ってない人とで
歴然とした差がついてしまいます。

これからの時代の人事評価について、
何か先生のお考えがあれば是非お聞かせください。


■QさんからのA(答え)

どこの大きな会社でも従業員を評価するのに
何を基準にするかとしょっちゅう議論が起こります。
たとえば出来高だけでその人を評価するということになると、
思うように行かない人は
萎縮して駄目になっちゃうということがあるし、
自動車のセールスをやる会社を見てもわかるように、
売上によってボーナスや月給を決めるということになると
大半のセールスマンが萎縮してしまいます。
ですからそれぞれの会社によって考え方も違うし、
いろいろ実験して、やり方も変えますが
いい結果をもたらすとは限りません。
これはどこの会社にも通用するルールで
割り切れない世界だと思います。

一生懸命やっているのに成果が上がらない人の首を切って
全部能率主義でやれるかというとそうもいかないところがあります。
これは会社社会にとって永遠のテーマじゃないでしょうか。


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