■QさんからのA(答え)
私が直木賞をもらったのは、もう42年も前のことで、
その時に芥川賞をもらったのは石原慎太郎さんでした。
「太陽の季節」という本が大変問題になって、
審査員の先生方の中には反対する人もあったんですけど、
大体反対する人が多いほど話題性があるわけですから、
文芸春秋は大へん得をしました。
内規があるわけじゃありませんけど、
普通、直木賞というものはプロの人が受賞するもので、
芥川賞は1作でもいいから話題になり、新風をもたらすという作品が
受賞するというのが常識だったんです。
したがって直木賞をもらった人のほうが長く残って、
芥川賞の人はすぐ消えていなくなってしまうというのが
珍しくはなかったんです。
今はどちらかというと芥川賞、直木賞の区別はなくなっていますが、
まったく新しい、
しかも未成年の人が賞をもらったということは
それだけでかなり話題性があるんじゃないかと思います。
こんなことが起こるということは
世の中が激しく変化しているということでしょう。
小説というのは人間の感受性に訴える仕事ですから、
それだけでも面白いと思います。
私も、早速読んでみようと思っています。
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