| ■QさんからのA(答え)  日本そばについては中央公論の「口奢りて久し」の連載の中でも触れましたけども、
 日本人の味覚と周辺の国の人たちの味覚とは
 必ずしも一致しません。
 ウチの家内は、はじめて東京へ来たときに
 私が軽井沢のそば屋さんへ連れて行きましたら、
 ざるそばを食べながら
 「靴の底をかんでいるようですね」と言ったことがございます。
 その家内もいまではおいしいそば屋に行くと言ったら、「私も行く」といって一緒に行きますから、
 味覚そのものも、どこに住んでいるかによって変わると思います。
 ただ、日本のそばがそのまま、よその国へ行って通用するかといったら、
 なかなか難しいですね。
 実際には日本人が食べているそばは
 輸入品が82%も占めておりまして、
 よその国の人はそばという形では食べていないで
 お饅頭だとか、パンみたいな形にして食べています。
 そばというものは、もともとは貧乏人の食べるもので
 金持ちが金に飽かせて食べるものではないんです。
 とりわけよその国の金持ちになった連中に食べさせるのには
 相当時間がかかるんじゃないかと思います。
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